風景画家東山魁夷は、生きものへの親しみやいつくしみも風景に込めて描くので、絵の中に人物や動物を描き入れることは稀なことです。写生道具を持って好んで自然の中に赴き、夏の高原では鳥達の合唱に耳を澄ませ、冬の山では雪の上に数々の足跡を見つけながら、魁夷は常に、命あるものへ大きな共感を寄せていました。その想いはある時、白馬となって画面に現れます。1972年の連作<白い馬の見える風景>を中心に、動物が登場する魁夷の作品を紹介します。